TOPへ戻る。




第6話【プレイボール】


プレイボールがかかる。
この試合の審判は、顧問でもある神崎 要(かんざき かなめ)が務める。
一塁・二塁・三塁の審判は、聖都高校のコーチである3人が務める。
1回表の攻撃。白組の攻撃・・・。
バッターは1番の大場 達人(おおば たつと)。彼の武器は足である。
そのスピードは海堂より僅かに劣るくらいである。

大場は、ゆっくりと足場を固め始める。
対するバッテリーは、左腕エースの和田。捕手は1年生の神童 海(しんどう かい)が務める。
神童は、1年生ながら小波同様レギュラー候補の1人である。
彼は決して打撃はうまくない。だが、恐ろしいほどまでに裏をつくリードは、まさに一級品だ。
対戦したことのある全ての打者のデータが彼の頭にはインプットされている。

ズバァンッ

神崎「ストッラクバッターアウッ!」
早くも和田は大場・織田の2人の打者を空振り三振にきってとった。
和田の素晴らしい投球に神童のリードが重なれば、これを打ち崩すのは厳しい。
河上「3番 センター 海堂くん。」
遅れたが、この試合のウグイス嬢は河上が行っている。
この対決は、部員全員が注目の対決だ。
和田&神童のバッテリーに海堂がどう対応するのか・・・。
和田「海堂先輩。本気でいきますよ?」
海堂「おうっ!お前の全力で俺を倒してみろ!!」
海堂が打席に立つ。彼の構えは、メジャーリーガーであるイチロー選手と同じ振り子打法だ。
神童(海堂先輩には弱点がない・・・。どう攻めたものかな・・・。)
和田(神童も迷ってるな・・・。でも俺は神童を信じるぜ。)
かなり悩んだうえ、神童はサインを出す。サインを確認のうえ、和田はうなづく。
和田が投球フォームに入る。彼の投法はごくごく普通のオーバースローだ。
海堂(かなり悩んでいたな・・・。まぁ、初球は変化球かボールだろう。様子を見るか。)

ズバァンッ

和田の投じたボールは神童のミットに吸い込まれた。
神崎「ストラーイク!!」
海堂(まさか・・・完全に裏をつかれたな・・・。)
神童の構えているミットの位置は、ど真ん中。
初球は打ってこないと読んだ神童は、大胆にも初球ストレートど真ん中でストライクをとった。
神童(うまくいった・・・。さて・・・次はどう攻めるかな・・・。)
その後、カーブ。スライダーとストライクからボールになる変化球を投げるも海堂は振らない。
その結果2ボールとなってしまった。
和田(さすがの選球眼だな・・・。釣り球には手を出さないか・・・。)
神童(3ボールになってしまうと難しい・・・。ここはストライクをとるか・・・。)
和田の4球目。コースは外角高めぎりぎりのコースへと向かっていく。
神童(ナイスコントロール。これなら海堂先輩といえども・・・。)
と、そこにボールとミットの間にバットが飛び出してきた。

キンッ

海堂が華麗に流し打った打球は三遊間を綺麗に抜ける。レフト前ヒットだ。
神童(まさか・・・あのコースを打ち返すとは・・・)
和田(あれを打たれるとは・・・。あの人は抑えようがないな・・・。)
その後、神童・和田バッテリーは注意に注意を重ねるものの海堂に盗塁を許してしまう。
しかし、4番の藤堂をストレートで追い込み、4球目のカーブでひっかけさせた。
無事にぼてぼてのサードゴロに打ち取って1回のいきなりのピンチを無失点で終えた。
1回裏の攻撃は、紅組の1番である矢部 進(やべ すすむ)。
彼は1年生ながらトップバッターに指名されるほどのミート。走力を兼ね備えている。
バッティングだけならば、ホームランを捨てた海堂・・・といった感じである。
一方の白組の投手は、松井 一樹(まつい かずき)。
これといって特に特徴はないのだが、いつも大怪我をするような投球はない。
非常に安定していて、ムラのない投球を行う選手だ。
矢部の打法は、これといって特徴のないスタンダード。
一方の松井は、スリークォーター気味のオーバースローといったところか・・・。

カキーンッ

松井が5球目に投じたストレートを矢部は見事に打ち返す。
これが左中間を破り、ボールは転々とフェンスまで転がる。
打った矢部は俊足を飛ばし一気に駆け抜ける。センター海堂が追いついた時にはすでに二塁を蹴っていた。
海堂(いかしてたまるかぁぁぁぁぁぁ!!)
海堂はボールを拾うとすぐさま三塁へ送球。ボールはすごい勢いで三塁へ向かっていく。
バシィッ
ズシャァァァ
三塁塁審「アウトォォォ!」
海堂のすさまじい送球はバウンドしそうでしないまま、三塁を守る橘のグラブにぴったり吸い込まれた。
まさにイチローや、日本ハムの新庄ばりのレーザービームである。
これには、矢部を初め全ての部員が唖然呆然とするしかなかった・・・。
その後、2・3番と連続で会心の当たりを受けるものの、バックのファインプレーで無安打に抑えた。



初回からスーパープレイも飛び出す紅白戦は、1点を争う好勝負となる予感がするのであった・・・。







TOPへ戻る。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送