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第13話【海堂対騎城バッテリー】


東東京代表決定戦は、ちょうど正午・・・。12時に開始される。
まだ11時だというのに、スタンドは満員となっている。
その中には、暁大付属に限らず、他県の甲子園出場高校も次々と訪れている。
神奈川県代表を勝ち取った2年エース山口率いる帝王高校。
埼玉県を彗星のごとき足で制した流星高校。
栃木県から現れた不気味な印象を持つ極悪高校など、多数訪れている。
そして、期待のかかる東東京代表決定戦のプレイボールがかかった。


マウンドには、騎城高校の真のエースである、3年の一 隼人(はじめ はやと)が登る。
一は、今大会初登板である。温存され、スタミナ・体調と共にベストに仕上がっている。
守備につくナイン達も休養は充分。全員まさに絶好調といったベストの布陣を引いてきている。
まさに連覇に刺客なしといったところであろう。
一方の古豪復活を狙う聖都高校には、いくつかの不安点もある。
左腕エース和田が準決勝で肩を痛め、この日の先発には完全試合男。1年小波が抜擢されたこと。
経験が少ない小波にこの大舞台は・・・という意見も多くある。
捕手の佐伯が準々決勝で受けたスライディングで右手首を多少傷めた・・・などが上げられる。
だが、そんななかでも勝ちを目指して戦わなければならない。甘えは言ってられないのである。


一は、絶好調振りを見せ、全国でも有数の聖都高校打線の1・2番を二者連続3球三振で抑える。
そして、3番のキャプテン海堂を迎える。
絶好調の一相手に、同等に渡り合える人物といったらこの海堂しかいないだろう。
打席に入った海堂が捕手の大村 浩二(おおむら こうじ)に話しかける。
海堂「まさかお前達バッテリーとこうして戦うことになるとはな・・・。」
だが、大村は海堂を無視し、一にサインを送る。

キンッ

打球は、飛距離は充分なもののわずか5メートルの差でポールを巻くことなくファールとなった。
海堂「ちっ。完全に球種とコースは読んだってのに・・・。さすが一だな。」
軽く大村を挑発するものの、大村はニヤリと笑っただけで何も答えることはなかった。
「危ない。危ない・・・。もっとはっきりしたファールになるはずが・・・。」
その後、2ストライク2ボールとなり、5球目を迎える。
大村(あいつの苦手球で軽く抑えてみるか・・・)
大村がサインを出す。一は軽くうなずき、投球モーションに入る。
「うぉぉぉぉぉぉぉお!!」
一は叫びをあげ、大村の構えるミットをめがけボールを投じた。
海堂「このコースは・・・!!」

ブンッ

バシィィッ

審判「ストラックバッターアウッ!」
海堂「くっ・・・まさか・・・。」
ボールは、しっかりとミットに収まっている。見事な三振である。
大村「くくく・・・。ナイスバッティン。」
大村は、捨て台詞を吐き、ベンチにそそくさと引き上げていった。
どうやら、この2人にはなにかしらの因縁があるようだ・・・。
そして、小波がマウンドに勇んで向かう。
この決勝でついに小波の必殺ボールがいよいよ披露されることに なった・・・。





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