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第10話【スタメン発表】


あの激闘の紅白戦が終わった後も、激しい練習は続いていった。
なぜならば、紅白戦終了後の神崎の一言から始まった・・・。
神崎「大会までまだ時間があるので全員諦めないように。」
そう。紅白戦だけではレギュラー発表はされなかったのである。
この一言で、部活全体はより引き締まり、部員みんなの目が必死になっていた。
なによりも、試合に出ることができなかった部員。試合でいい結果を残せなかった部員・・・。
この頑張りがあり、全員に危機感が生まれ、お互い競争意識を持つこととなった。
これはもちろん神崎の狙いなのであるが・・・。


そして、県大会まであと1日と迫ったある日・・・。
今日は、練習は行わずにミーティングをするらしいという連絡が入った。
この連絡を聞いた瞬間誰もが思ったことは1つ・・・。今日こそレギュラー発表だということ・・・。
皆、ドキドキしながら1日を過ごした。小波にとっては、今までの人生の中で1番長い1日だったろう。
そして放課後・・・。部員全員が集められた教室に神崎が入ってきた。
その瞬間、机に頭を伏せ、お祈りをする者・・・。
真剣な眼差しで神崎を見る者・・・。
みんな、緊張感を持っているのがひしひしと伝わってきた。
神崎「それでは・・・いよいよ明日に迫った大会のスターティングメンバーを発表する!!」
誰もが、「来たっ!」と、感じた。
緊張感はピークに達する。小波はいままでにない緊張感を味わっていた。
神崎「まず・・・キャプテンは海堂!お前だ!!!」
河上が真っ白な背番号8のユニフォームを海堂へ差し出す。
海堂へ向け部員から拍手が送られる。海堂は、照れながらもユニフォームを受け取る。
神崎「静まれ!それでは、野手からユニフォームを配布していく。」
そして、どんどんユニフォームは配られていく・・・。
残すは、右翼のポジションとなる背番号9のみとなった。
神崎「背番号9は・・・小向!」
そう呼ばれると、小向は無邪気な笑顔を浮かべながらユニフォームを受け取る。
これには、拍手だけでなく、「お〜・・・」という、声も複数あがっていた。
ちなみに、現段階でレギュラーに選ばれた1年生は小向だけである。
神崎「それでは、投手のほうの背番号を配布する。」
そう言われると、部屋全体がし〜んと静まり返った・・・。
神崎「まず背番号11!これは・・・松井。お前だ。」
背番号11。これは、3番手投手に送られるユニフォームである。
やはり、エースは和田か小波・・・。この2人に絞られたと言ってもいいだろう。
部員全員が固唾を飲む。和田も小波も心臓はバクバクだ。
だが、小波にはスタメンに選ばれる自信があった。
紅白戦では、海堂に和田は3打数3安打。しかし小波は三振に抑えた。
しかも、その後の練習でも和田以上に行ったという自信がある。
もちろん実力でも・・・。
神崎「それでは背番号1は・・・」
小波は、絶対の自信を胸に秘め、神崎から名前を呼ばれることをいまかいまかと待っていた。





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