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第1話【俺の1番の友達】


ダダダダダダダダ
小波「やっべー!!遅刻しちゃうよ〜・・・。」
ガラララッ
小波「セーフ?セーフ?なぁ・・・俺はセーフなのか?」
河上「ぎりぎりってとこだねぇ・・・。ちっ!」
小波「なんだよそれぇ・・・かわいくねーのっ。」
こいつは河上 奈美(かわかみ なみ)。
俺と同じ中学出身の女の子だ。まぁ・・・女の子とは言えない部分が多いが・・・。
河上「そんなことより翔・・・あんたもっと早く来れないわけ?」
遅くなったが、俺の名前は翔。小波 翔(こなみ しょう)だ。
小波「そんなこと・・・」
言いかけた途中で、他の人がからかってくる。
小向「よーよー。相変わらず熱々だねぇ(笑)ここだけ夏みたいだぜ。」
からかってきたこの男は、小向 光(こむかい ひかる)。俺の高校での一番の友達だ。
からかわれるようになったのも、これには理由がある。



それは入学式初日、俺のクラスである1年A組には、中学時代の友人は1人としていなかった。
いや・・・正確には1人いた。その1人が河上である。
河上とは中学時代は、あまりしゃべっていなかったが、お互い友達がいない状態である。
1人でいるよりは、女でも一緒にいたほうがいい。そう思ってしまった俺がいた。
その後、家が近かったこともあり、一緒に帰ったりするようになっていった。
そんな状態が何日か続いたある日・・・。俺の席の後ろに座っていた男が話しかけてきた。
そう。その男が小向である。
小向は、俺に名前だの出身中学だのを聞いた後、本題を聞いてきた。
小向「翔くんさぁ・・・河上さんと仲いいよね〜?付き合ってるの?」
いきなりなんてことを聞いてくるんだこいつは・・・。思いがけない質問に俺は必死に否定した。
小向「必死になるとこがますます怪しい〜。まっ・・・みんな、お前らのことは認めているからな。」
いきなりなんてことだ・・・。このままでは俺の女の子にモテモテの学校生活が・・・。
必死に説得したものの、軽く流されてしまう。もう絶望的だ・・・。
肝心の河上といえば、何事もないように女の子の友達としゃべっている・・・。
このようなからかいを受けているのは俺だけなのであろうか・・・。
そして、そのようなことがあって以来、俺は小向にことあるごとにからかわれている。



河上「翔・・・?翔っ!!!」
小波「はっ・・・ははいっ!!!」
クラスが笑いに包まれる。俺にはいまだに状況が掴めてない。
担任「小波っ!何ボーっとしているんだ。いつまでも中学生のままじゃダメだぞ。」
担任に言われ、ようやく理解することができた。俺は出席のチェックを取られていたらしい。
河上「なにボーっとしてるの?どーせまた変なこと考えてたんでしょ。」
小波「うっせ。お前と一緒にすんなよ。」
またいつもの調子が始まった。河上としゃべっているといつもこんな感じになる。
それを見て小向は何かを言いたそうだったが、俺は言わないでいいと小向に釘をさしておいた。


その後も、授業を受けてはいたが、小向や河上などとしゃべっていただけで授業は終わってしまった。
そして、待ちに待った放課後・・・部活の時間である。
もちろん俺の所属する部活は野球部。小向も野球部である。
そして、河上はといえば・・・なんと野球部のマネージャーを務めている。
俺たち3人は、野球グラウンドへと向かって小走りで走っていった。




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